フリーメイソンは、得体の知れない秘密結社という一般に流布したイメージとは全く異なり、道徳と理性による個人の完成、社交と慈善を通じて人類と社会の完成を目指す18世紀ヨーロッパにおける最先端の市民結社である。
吉村正和:『図解フリーメイソン』河出書房新社より

フリーメイソンは18世紀のヨーロッパ文化のすみずみにまで行き渡っており、フリーメイソンを研究するということは、18世紀ヨーロッパ文化を研究することとほとんど同義でさえあります。
啓蒙主義とロマン主義を含む18世紀文化の全体を「フリーメイソン文化」と呼ぶことができるかもしれません。

フリーメイソンは、芸術の発展に貢献するよう、若きアーティストたちのパトロン・スポンサーとして援助を惜しみませんでした。
音楽の分野では、モーツァルト『魔笛』、ハイドン『四季』、ベートーベン『第九交響曲』など、日本人にも馴染みの深い作品は、フリーメイソンの儀式のために創作されたものです。

文学・建築・庭園・絵画・彫刻の分野でも、多くのアーティストが誕生しましたが、何より私たちのよく知るところでは、アメリカ合衆国の象徴『自由の女神』ではないでしょうか。
『自由の女神』は、1886年にアメリカ建国100年祭を記念してフランスのフリーメイソンから寄贈されたものです。(設計:フレデリック・オーガスト・バルトルディ)

このように、フリーメイソンの「自由」「平等」「友愛」「寛容」「人道」の理念は今日まで継承され、新しいアーティストたちの養成に大きく貢献しています。

◆フリーメイソンの「G」は以下の頭文字からきています。
「Gnosis」=至高存在
「God」=神
「Geometry 」=幾何学
「Glory」=栄光
「Grandeur 」=寛容

◆フリーメイソンの「定規とコンパス」は、石工職人のギルドの名残です。
上向きのコンパスと、下向きの定規は
「陰と陽」
「天と地」
「精神と物質」
「男と女」
など、世界の二元性の融和を意味します。