“A person who carries a carcass of an animal infested with maggots”
(蛆虫のたかった動物の死骸を運んでくる人)
イングランドの古い言い回しで、聞きたくない情報「噂話・ゴシップ・デマ」を運んでくる人物を、そう表現します。

特に宮廷内で、王や王妃に良くない知らせを伝える人物の人選は慎重に行われました。
「良くない知らせ」と、それを運ぶ人物がセットになる可能性があるからです。
王に使える大臣らは、実権を握るため日々策略を巡らせていました。
そういう政治の派閥争いで、「良くない知らせ」を運ぶことは、派閥の致命傷になりかねません。
実際に王の怒りを買い、大臣が斬首刑に処されることもありました。

そういうことから、噂話・ゴシップ・デマは想像以上に慎重に扱われました。
“A person who carries a carcass of an animal infested with maggots”は、SNSが普及した現代にも通じる教訓があります。

大臣に命令されたわけでもないのに、自ら嬉々として「噂話・ゴシップ・デマ」を運ぶとは、なんと愚かなことでしょうか。