「いつも彼に振り回されてばかりで、彼の気持ちがわかりません」
「いつも不安で、彼のスマホをチェックせずにはいられません」
「いつも不倫関係ばかりで、結婚に進まないのです」
「いつも人間関係で、仕事がうまくいかないのです」
「いつまで経っても、親(子供)との関係が改善できないのです」

これらのご相談に共通しているのは、過去の記憶の影響による行動パターンを変えることができず、同じ課題が何度も、繰り返し訪れていることです。
今、訪れている課題をクリアして、次の展開に進むために、私達ができることは何でしょうか。

タロットには、過去の記憶を懐かしく回想する『ノスタルジア』を意味する札があります。本来は【異国の最前線で戦う兵士が、二度と故郷を目にすることは叶わないと予感する、心の痛みを伴う疾患】という17世紀の医学用語からきています。

『ノスタルジア』の札は、断ち難い過去の記憶に囚われて、消極的になり、身動きできなくなっている私達に
「来るものと往くもの」
「後悔や無念の思いを手放す」
「大人への目覚め」
「親からされた仕打ちを赦す」
「自分の犯した罪や過ちの償い」
「精神的な成長」
などを促し
『どのような過去の記憶によって現在の私達が形作られているのか』
『その影響による行動のパターン』を、客観的に見せてくれます。

私は、タロットを拝読するようになってから
同じ札を見ていても、ひとりひとりの見え方が違うことを体感し
同じ価値観や記憶を、他者と共有できることは非常に稀であると感じるようになりました。
タロットは、普遍的なシンボル
《月と認識されているものは月の絵》が描かれてるいるにもかかわらず
100人いれば100通りの《月の絵》の見えかたがあるということ。
私達にあるのは「解釈のみ」で
誰かにとっては瑣末な出来事でも
誰かにとっては重要な出来事であるように
私達がそれぞれに違う価値観や記憶を持つことは当然のことだと、ようやく理解できるようになりました。

それに加えて
過去の記憶は
感傷的に塗り替えられたり
優しいものに書き換えられたり
つらいものは削除されたり
創作した想像を加えたり
第三者からの情報を拡大したり
編纂されやすいもので
タロットが開示した【あなたの過去】を読むということは
《本来あったはずの、そのままの感情》
《あなたと誰かの価値観は違っていた可能性》
《記憶は、違ってくること》を、
客観的に確認する 作業でもあります。
それは、決して建設的な作業だけではなく
場合によっては、あなたが胸の奥に封じ込めているトラウマになっている感情を
掘り起こして向き合う必要があるかもしれません。

しかし
他者との価値観が違っていたとしても、記憶が違っていたとしても
あなたと誰かとの
『お互いの間でしか芽生えなかった感情』
というものがあるとするならば
それが喜びであっても、悲しみであっても
尊い瞬間であったということ。
過去の記憶というもので、現在の私達が形作られているならば
心の痛みを伴う記憶も
『私の貴重なパーツなのだ』と、
肯定的に受け止めていただけるようになることが、タロットを読む目的でもあります。

私達が胸の奥深くに封じ込めている
幼い頃に親から受けた影響
友人と齟齬
職場での孤立感
恋人との軋轢
失恋の喪失感など
記憶を編纂してしまう前の
当時の感じたままの感情を確認して解放することにより、自由になれる感覚をタロットは教えてくれます。

そして、過去の記憶を解放することで
両親をはじめ
友人や同僚
かつての恋人など
相手もまた過去の(様々な、時につらい)記憶によって形作られていることが想像できたなら、相手の(時に冷淡な)言葉や態度の真意を理解でき、相手を思い遣ることができるようになれるかもしれません。

過去の記憶の影響による行動パターンを確認することで、はじめて囚われの記憶から解放できること。
何かが叶わないのではないかという、予感からくる心の痛みは解放できること。
贖罪により自責の念から解放できること。

タロットで、解放の感覚を知っていただき
今、繰り返し訪れている課題を最後にして
次の展開に進めるためのお手伝いをさせていただけるなら幸いです。