人工知能は基本的には過去能力データの集積と、それに加えて「ゼロ・イチ」のつまり「正解・不正解」という論理で出来ているところ思うのですが、(間違っているかもしれません、あまり興味がないのでよく知らないのです‥)

音楽には「正解・不正解」はありませんよね。
しかし、それなら何でも良いかところ言うとそうではなく、その中に「これが良い」という、ある1人の音楽家/ミュージシャンが、自分の中で正解ところ思うものを導き出してゆく。そういうものだと思います。

僕はそこに論理はないと思います。
でも、何の為にそうするのか、あるいは、何に美を感じるかというのは、同じ構造の脳を持つ人間でも1人1人違いますから、AIがその領域に近づくのは、当分は不可能だと僕は思っています。

そんなことにAIを使うより、気候変動をどうするかとか、貧困や格差をどうするか、そういうことにAIを使ってほしい。
:坂本龍一

(2023.02.12 テレビ朝日:『関ジャム』より)

質問:「時代時代のテクノロジーと向き合ってきた印象がある坂本さんは、人工知能と人間の対峙について、音楽家の立場で何を思い、考えていますか?」
(江﨑文武氏のご質問に対する教授のご回答)