「こんなカッコ悪い新幹線のりたくない!」

6歳のY君は、岡山駅のホームで号泣して、『700系』新幹線に乗ることを全力で拒否しました。

今から20年ほど前、Y君ご家族は、東京ディズニーランドへ旅行するために、新幹線を利用しようとされました。
岡山駅新幹線ホームに到着し、「さあ、これから旅が始まる」というタイミングで、Y君がまさかの乗車拒否で、お母様は大変焦られたそうです。

「こっちの新幹線のほうが最新だよ!」
とお母様が説得しても、Y君は頑なに『500系』新幹線にこだわり続けました。

500系』新幹線のデザインは
開発者が「翡翠」(カワセミ) くちばしをモチーフにしたもので、美しい曲線が具現化されています。
700系』新幹線のデザインは、鉄道ファンの皆様に「カモノハシ」の愛称で呼ばれ、愛嬌のあるフォルムで親しまれています。

6歳のY君にとって、絵本や図鑑で見た憧れの『500系』に乗車することこそが、東京ディズニーランドに勝るメインイベントだったのだと思われます。
「乗ってしまえば同じ」とは考えない。
号泣するほどの、純真な、こだわりを持てるY君のエピソードに、私は今でもあたたかな気持ちになるのです。

そして、その欲求をお母様にぶつけることができたのも、お母様との信頼関係が強く結ばれているからだとも感じるのです。

あなたが6歳の頃、泣きながら親に何かを欲求したことがありますか?
おそらくこのブログをお読みくださっているあなたは「NO」だと拝察します。

例えば、あなたが親に『500系』新幹線に乗りたいと言いたくても
「否定される」
「叱られる」
「無視される」
その場の空気が悪くなるのを恐れて

我慢して
①【言えない】

親の努力を台無しにしたくないので
「わあ『700系』うれしい!」と笑顔で
②【嘘をつく】

遠まわしに理解してもらおうとして
「『500系』って翡翠のくちばしなんだって!きれい」と注目の発言をして
③【察してもらいたい】かの

いずれかだったのではないでしょうか?

私は②の、嘘をつく子供でした。
そして、自分が子供達にそれらの思いをさせてきたのではないかと、深く後悔もするのです。

相手のことを優先しようとするあまり
自分の欲求を後回しにしてでも
「並ぶときは、いちばん最後」
を美徳とされるあなた。

6歳の自分が、どのような感情を抱いていたか思い出していただきたいのです。
それは、あなたにとって苦しい作業かもしれません。

しかし
天真爛漫に
「これが好き」
「これは嫌い」
と言える自分を、許可してあげてほしいのです。
感じたままを誰かに伝えることを、許可してあげてほしいのです。

あなたのことを
あなたが許可しないで
誰が許可するのでしょうか?
あなたの、その6歳のロジックは、今の恋愛や結婚、人間関係に影響していませんか?

タロットの「天真爛漫」「屈託のない笑顔」「純真無垢」「無邪気」を意味する札は、幸せになることはあなたの義務であることを伝えています。

あなたが幸せになることは、他者に対しても義務なのです。
Y君のように、何かを全力で拒否できるのは、とても幸せなことだと思いませんか?
号泣するほどの、純真な、こだわりを持てることも幸せですし、それを誰かからぶつけてもらえることも幸せなことだと思います。

今更もう遅いなんてありません。
私は50歳過ぎて、ようやく気づけたのです。
「こんなカッコ悪い新幹線のりたくない!」
Y君のように、私は今なら言えますし、言えるようになりました。
必要なら「カッコよくない理由」を400字詰め原稿用紙に10枚くらい書けそうです。

私に、あなたの「カッコよくない」と思う理由を話してください。
あなたの号泣するほどの、純真な、こだわりを教えてください。
あなたが6歳のあなたに会えるよう、タロットに問いかけていただけたら幸いです。

撮影:2017.03.14 JR福山駅