「ダンス?不思議なダンス?」
テレビから流れてきた清涼剤『ミンティア』のコマーシャルに、思わず作業の手を止め、魅入ってしまいました。
「指をピースのかたちにして下に向けたポーズ」
「広げた手のひらに、人差し指を刺すポーズ」
『REFRESH』の楽曲にのせて、『Snow Man』の皆さんが不思議なダンスを披露。
「あれ?」と思う間に15秒が過ぎてしまいました。
そんな不思議な『REFRESH』の振り付けは、『Snow Man』リーダー・岩本照(いわもとひかる)さんが担当されています。
岩本照さんは、グループで発表された楽曲の振り付けを担当されているクリエーターでもあります。
岩本照さんの振り付けの不思議さは、実は、担当した全ての楽曲に『手話』を組み込まれていることを、後のインタビューで知ることとなりました。
『REFRESH』の
「指をピースのかたちにして、下に向けたポーズ」は、ポップに”跳ねる”意味。
「広げた手のひらに、人差し指を刺すポーズ」は、”刺激”を意味します。
それらの手話を振り付けに加えることで『ミンティア』の弾ける食感・刺激・リフレッシュさを表現されているそうです。
「耳が聞こえない方にも、踊りで僕たちので作品を届けたい」
言語だけでなく、振り付けでメッセージを発信する岩本照さん。
何かを伝えようとするとき、言葉がなくとも、ほかの手段で伝えることができると、表現者としての在り方も体現されています。
私は、岩本照さんの振り付けから、タロットの「表現者」を意味する札を想起しました。
私たちは
誰かに
何かを伝えようとするとき
言葉を文章に書き起こし、メールや手紙にしたためて、伝えようと試みます。
しかし、そこで私たちは、言葉で伝えることの限界を知るのです。
戸惑い
混乱
誘惑
情熱
あらがい
疾走
解放
よろこび
甘やかさ
ハッピー
チャーミングさ
そしてときに、沈黙。
岩本照さんは、そうした言葉で伝えきれない想いを、言葉と対峙しながら模索されているように感じます。
首の傾け方。
視線の持ってゆきかた。
指先の緊張と緩和。
身体を大きく見せたり
立体的に見せたり
あるいは存在自体を消し去ること。
「そんな手段があったのか!?」
岩本照さんの振り付けの表現は、言葉よりもダイレクトに伝わる、新鮮な驚きをもたらせてくれます。
表現者としての岩本照さんの、ダンスで魅せるフィジカルな線や、シルエットへのこだわりは、自己管理の厳しさにあらわれています。
その厳しさは、『SASUKE』に出場できる体づくりにまで到達されています。
岩本照さん自身が
クリエイターであり
表現者であり
挑戦者。
岩本照さんの存在は『Snow Man』そのものであり、これからも新鮮な驚きを届けてくださるでしょう。
そして
『手話』という手段があるように
言葉だけでなく
伝えかたとは
人が生きるうえで永遠のテーマなのだと
岩本照さんは気づかせてくれます。
ノンバーバルコミュニケーション
(言語以外で行うコミュニケーション方法)の大切さについて、改めて考える機会を『REFRESH』岩本照さんの振り付けから授かりました。
『SWITCH 』Vol.40 No.7 岩本照/特集:ダンス「秘密の暗号を解く」
発行所:スイッチパブリッシング
発売:2022.06.20・撮影:操上和美
『ミンティア』:アサヒグループ食品
東京都渋谷区恵比寿南2-4-1
Johnnys’ Official Snow Man Calendar2022.4-2023.3
2022.03.09 初版第一版発行・著者:Snow Man ・発行所:株式会社小学館