「宮舘くんは、負けたときですら勝ったような顔してる」

Snow Man』宮舘涼太さんの立ち振る舞いを、同メンバーの佐久間大介さんは、そう表現されています。

宮舘涼太さんは
2020年『Snow Man』デビューライブ・ツアー“ASIA TOUR 2D.2D.” 3都市16公演が
緊急事態宣言下で中止になったとき
「今まで、幾度も困難に遭った僕たちに相応しい門出です。
僕たちなら乗り越えることができます」
と苦しい胸の内を
動じることなく
静かな佇まいで
肯定的な宣言のかたち
に変換して語られました。

私は、宮舘涼太さんが13歳でジャニーズ事務所に入所して、28歳で『Snow Man』としてCDデビューされるまでの歳月を想うとき、一生に一度しかないデビューライブ・ツアーの中止とは、どのような衝撃であったか、その胸中察するに余りあります。

それでも、宮舘涼太さんの
「負けたときですら、勝ったように振る舞う」ことができるのは
日々
感情に乱されず
他者からの評価に反応しない精神力を培われてきたからに他なりません。
それは、修行の領域に達するものであったと拝察します。

私は、宮舘涼太さんのその姿から
タロットの「エレガント」を意味する札を想起しました。
エレガントとは、不愉快な感情を克服する精神力を指します。

タロットが創作された中世ヨーロッパの宮廷では、さまざまな派閥の権力争いが日常でした。
派閥の主人が、王の寵臣になれるかどうかで、仕えている家臣や侍女の立場も、安定したり揺らいだりする時代でした。

家臣や侍女らは
仕えている派閥の主人が
優勢であるか
劣勢であるか
時流を読み取ることが求められました。

しかし
よき宮廷人である
派閥の主人たちの立ち振る舞いは
常に洗練され
優雅で
他者からの評価に微塵も反応しません。
家臣や侍女らは
どちらが優勢で
どちらが劣勢か
読み取ることが困難だったと伝えられています。

まだ何も手に入れていない時期から
「宮廷の半分は私のものである」
かの如く振る舞う主人もいました。
失脚後の幽閉された湿地帯で
「何もない場所に、薔薇の庭園がある」
かの如く振る舞う主人もいました。

どんなに不安で
どんなに焦燥感に駆られていても
「劣勢なときこそ
エレガントに振る舞う」
これが宮廷人としてのマナーでした。

私は、宮舘涼太さんの
不愉快な感情を克服する精神力
宮廷人のマナーをみるのです。

その一片として
宮舘涼太さんのダンスの表現力は
プロダンサーの方々から
「シルクのようななめらかさ」
「花びらのような艶やかさ」
「薔薇の花を纏っているようにみえる」
と『質感』で語られています。

宮舘涼太さんの、日常からエレガントであろうとする心持ちは、ダンスをはじめ所作・態度・言葉遣いに『質感』として、醸し出されているのではないでしょうか。

そのエレガントさから
「館様(だてさま)」の愛称で呼ばれる宮舘涼太さん。
私も、館様から薫陶を授かることができたなら幸いです。


Johnnys’ Official Snow Man Calendar2022.4-2023.3
2022.03.09 初版第一版発行・著者:Snow Man ・発行所:株式会社小学館