神に近付こうと、天まで届くバベルの塔を建設中の人間達に
神は、
その傲慢さを教えるために

「彼らの言葉を混乱させ、
互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう」

と 決断し、
人間達から共通の言葉(始原言語)を奪い、
意思の疎通が出来ないようにしてしまわれました。

(創世記 第11章)

このことから、私は長い間
人と人とのコミュニケーションは
「言葉・文字」によって成り立つと信じていました。

しかし、トーラー(ユダヤ教神秘主義・暗号テクスト)では
天地創造は
「数」「文字」「音」によって行われたことを注視しています。

人間は、共通の言葉「文字」を失ったが故に
「数」と「音」でコミュニケーションを取るように
試されているのかもしれません。

0と1の「数」で電子計算機(コンピュータ)が開発され進化しました。
その電子計算機のおかげで
現在は
YouTubeやiTunes等で
「音楽」が、
言葉が無くとも
感動を、
時代を越え
国境を越え
万国で共有できるようになりました。

その理想を
YMO(Yellow Magic Orchestra)の
細野晴臣 氏が
『地平線の階段』1979年発刊
「科学と魔法の交響楽」で
語っておられます。

今から38年前には想像できなかった世界が
今、現在
実現していることに畏怖の念すら感じます。

語らなくとも
共通の感覚や感性に触れることができる
「音楽」とは、
やはり神が人間に与えてくださったものだと
感謝せずにはおれません。

 

( 細野晴臣 『地平線の階段』八曜社  )