裕福な商人が秤を手にして、貧しき者に
求められている分量を正確に計って、自分の財産を与えています。(左図)

【金貨の6】は、寛大・親切・博愛・慈悲の心を意味します。
「困窮している人たちに、助けの手を差し伸べたい」
という純粋な想いや、
「相手の喜ぶ姿に自らの幸せを感じる」という
豊かな心が図柄から読み取れます。

しかし、この【金貨の6】の札を、違う角度から観ていただきたいのです。

商人の赤いガウンは破れたままです。(右図)

つまり商人は、
自分のガウンの破れた箇所を裁縫する余裕もなく、
自分のことを後回しにして、相手に
「時間」「労力」「お金」を提供しすぎていることを意味します。

あなたはサービス残業を喜んで引き受けますか?
友人や恋人の要求に、無理に時間を工面してはいませんか?
社会的な立場上、辞退をすることを出来ずに役職を引き受けたり、
自分の子供を後回しにしていることはありませんか?

あなた自身がそれを提供し、自尊心が満たされるなら問題はございません。

ただ、受け取る側が
「あなたが、時間・労力・お金を提供してくれて当たり前」と、
感謝の気持ちも持てず、都合よく利用しようとする心情が見えてなお、
自分のことを後回しにするなら、
それは、
あなたが他者からの賞賛を求め、自己保身のための見せかけの慈善行為を行っている可能性が読み取れます。

地位や名誉、賛同を求めるための行動や、
相手の顔色を伺いながら起こす行動・言葉は、
果たしてあなたの心を本当の意味で豊かにしてくれているでしょうか?

【金貨の6】は、シンプルに
「あなた、無理をしてるのではないのですか⁉︎ 大丈夫?」
と、あなたに問いかけてくれます。

私たちは、自ら望んで行動を起こすことは本心からの行動です。
自己犠牲も修業のチャンスだと捉えることができるなら大丈夫です。

それを踏まえてなお、
自分の中に、心を消耗させる何かがあるなら、
それを継続してゆくことの再考の時期に入ったと【金貨の6】は告げています。

(Universal Waite TAROT DECK:Six of Pentacles
And Tarot of the NEW VISION:Six of Pentacles)