今日は、一年でいちばん陽の短い冬至です。
私は、今日を境に自然界が、
春に向かって準備を始めるこの期間が好きです。

「死神」の札は、
ひとつのサイクルを終え、
新しいものに移行する時間の経過を意味します。

例えば麦。
柔らかな芽が冷たい地面から現れ、
青々と真っ直ぐに伸び、
ひそやかに花を咲かせ、
豊穣と収穫の時を迎え、
刈り取った麦穂から、また次の発芽へ向けて準備をする期間です。

過去の自分を葬り去り、新しい自分に生まれ変わる象徴が「死神」の札なのです。

人の命が終焉を迎え、その次に生まれ変わるリインカネーションを示すこともあれば、
古い価値観や、人間関係を断ち、真っ新な自分を生きる心境を示すこともあります。
「心機一転、ゼロから仕切り直す」
死・終焉は「再生」の始まりと考えられます。

死は誰にでも平等に訪れます。
天寿とは0歳児にもあてはまります。

その0歳児が身を挺して、何を遺し、何のメッセージを伝えたかったのか、
周囲の者が学び、教訓とすることがその小児の魂に対しての礼儀だと思います。

誰かが死を迎えるということは、
医療の発展、事故防止、社会的援助、虐待防止・赦しなど、
残された者が、そこから教訓を得て
積極的に改善・発展してゆくようにとのメッセージです。

「刈り取った麦穂から、次の命へ繋いでゆく。」

一粒の麦を発芽させるのも、枯らすのも、
私達、残された者の使命ではないでしょうか。

今日が、
過去の教訓を糧として、
更に豊かな麦穂を実らせるよう、
新しいサイクルに踏み出せる日となれば幸いです。

(Universal Waite TAROT DECK:DEATH)