タロットの迷いを意味する札は、あなたの心に《欲望》と《怒り》を派生させ、「ああでもない、こうでもないと」終わることなく想像・妄想・シュミレーションをし続ける状態をあらわしています。
私達の《欲望》と《怒り》とはどのような状態のものなのか?恋愛で例えてみます。
《欲望》=快感を与えてくれるものを「もっと」と引き寄せようとする『引力』を指します。
①貪る=「彼にもっと会いたい」「もっとモテたい」
②意見にしがみつく=「恋人ならこうあるべき」「海外リゾートで挙式したい」
③プライド=「他の女性より、私のほうが可愛い」「すぐに既読をつけると負け」
④我のもがき=「ダイエットしてスタイルよくなりたい」
⑤執着=「つきあい始めの頃のように毎日LINEをしたい」「彼とのLINEトークを絶対に削除したくない」
《怒り》=不愉快な対象(嫌悪感)を押しのけ排除しようとする『反発力』を指します。
①怒る=「理由もなくデートをドタキャンされた」
②妬む=「彼の部下の女の子がアイドル並に可愛い」
③ケチる=「時間・労力・お金・愛情を注ぐ気になれない」
④後悔する=「“もう別れたい“と彼を試したら了承された」
⑤悲しむ=「彼の転勤で、遠距離恋愛になった」
⑥寂しさ=「誕生日もクリスマスもひとり」
⑦恐れ=「元カノの存在」「彼は浮気しているに違いない」
⑧緊張=「LINEの返信待ち時間」「別れの予感」
⑨不安=「彼は転勤先で、新しい女性との出会いがあるはず」「彼のInstagramのストーリーやフォロワーをチェックする」
《欲望》《怒り》このふたつの感情をを生みだす「心の使い方」は迷いから派生しています。
それでは、その迷いはどこから来ているのでしょうか?その迷いが消えれば《欲望》《怒り》は消えるのでしょうか?
迷いは主に、以下の四つからきています。
一. 無知=客観的な情報を入手しない、入手する努力をしない。
二. 恥知らず=世間体に囚われ、本当に大切なものを見失っている。
三. 破れかぶれ=自暴自棄になり、問題そのものから逃避する。
四. 混乱=誰かれなく相談して、どのアドバイスを採用していいかの判断ができない。
これらの迷いを解消することができれば、私達は《欲望》《怒り》から解放されると考えられています。
一. 客観的な情報を入手する。
先の「理由もなく」と思い込むのはあなたの都合で、彼にとっては「他言できない」と思えるほど重篤な事件であったり、他言することでプライドをくじかれる事かもしれません。
「アイドル並に可愛い部下」も、学生時代からつきあっている彼と婚約していることがわかれば、浮ついた子でもないと思えてきます。むしろ、味方につければあなたの応援をしてくれる子かもしれません。
二. 世間体。
彼の学歴、彼の家庭事情、彼の職業、彼の年収、彼の離婚歴など、彼に付随している何かをジャッジすることで、「彼」をみているのではなく、「彼を自分のアクセサリー」と考えていることに気づけます。
三. 自暴自棄
「もう別れたい」「別れるなら死ぬ」などと彼を試したり、「イライラをおさめるために、サイトで知り合った男性と浮気する」など、ふたりの関係を良きものにするにはいちばん遠い行為です。彼を疑い、あなた自らが自分を貶めてしまう行為です。
四. 混乱
「誰彼なく相談する」など、彼の立場かれらすれば、「オレは、君を幸せにできていない」と印象づけるだけです。人は「自分の力で、もう、この人を笑顔にできない」と思ったとき去ってゆきます。
また、人は選択肢が二つ以上あったとき、いわゆる多数決で答えを出そうとしますが、多数決のデータ結果とは、ランダムに選んだ2,000人にアンケートしなければフェアな答えは出ないと言われています。
あなたが、あなたの友人や家族に相談してアドバイスをいただいたとしても、一個人の感想を述べられるだけということです。
さらに、あなたが自分の不都合を隠して相談した場合、データ不足で混乱を招くだけです。混乱して「誰彼なく相談する」ことは、あなたの決意を揺らがせることのほうが圧倒的に多いでしょう。
ここまでお読みいただき、お気づきになられたと思いますが、客観的にみて彼に咎がないことがわかります。
つまり、彼は、あなたとの関係を良きものにしようと、転勤先でひとりで頑張っているだけなのかもしれません。
あなたは『彼の都合』を無視して、『自分の都合』だけにフォーカスしていることがわかります。
想像
妄想
シュミレーション
それらは全て
あなたの心の中でのみで起きているということです。
これらの迷いを
完全に払拭することは難しくても
その仕組みが理解できれば
私達は《欲望》《怒り》を
薄めたり鎮めたりすることはできるのではないでしょうか。
あるいは《欲望》《怒り》に苛まれている自分を客観視でき、知恵をもって理性的に変えるチャンスにできるかもしれません。
過去の歴史を鑑みても
《欲望》《怒り》からの
執着心やこだわりが
何かを完成させたり
何かを極めてきた側面もあります。
執着心やこだわりを他者に求めるのではなく、自分自身を追求するようコントロールできれば、恋愛もまた、芸術や文学に昇華するエネルギーに変換できるかもしれません。
タロットの役割は、あなたがあなたの迷いに気づいていただくことです。
気づいていただく過程で
「彼を信じる」
「彼を尊重しましょう」という思いや
「彼を思い遣る想像力」があなたに芽生えてくることを信じています。
朴筮(ぼくぜい)や占術は、天文学・解釈学・統計学・哲学から派生しています。それらは、長い年月を費やし、私達の迷いを払拭するために、あらゆるデータを内包して現在に継承されてきました。
タロットはその600年分の経験値を、情報として持っています。私の役割は、そのメッセージを正確に翻訳して、現代風にお伝えさせていただくことだけです。
明東館は、あなたが暗闇の森で迷っているときに、夜明けを予感していただける場所でありたいと願っています。
明東館で、あなたの迷いがどこからきているのか、気づいていただけたら幸いです。