「コムデギャルソン・パリコレクションで『エレファント・マン』のテーマ曲を使用した際、大変な反響があったのです。パリコレの終了後にね、オープンテープで音楽流すブースがあって、そこにジャーナリストさんたちが入れ替わり立ち替わり”あの曲のタイトルを教えてください”と問い合わせに来られたのですよ。
この曲は、日本人の琴線に触れる何かがあるのでしょうね」
と桑原茂一さんは語られました。

桑原さんは、コムデギャルソンのファッションショー選曲を20年もの長きにわたり担当されました。
作品のイメージを膨らませ、空間をドラマティックに演出する音楽。
その音楽を探し求め、構成する。
選曲家のポジションを初めて確立された、「初代選曲家」の姿がそこにありました。

【選曲とART:坂本龍一】展示会の会場で、桑原さんの私物のLPレコードを拝見する機会がありました。
使用頻度が高く、アルバムジャケットの背が破れ、補修してあるものがあるなか、レコードはどれもピカピカでした。
桑原さんの音楽に対するリスペクトが伝わってきました。

『エレファント・マン』
監督/デビット・リンチ
音楽/ジョン・モリス
【キャスト】
ジョン・メリック/ジョン・ハート
トリーブス博士/アンソニー・ホプキンス
ケンドール夫人/アン・バンクロフト
カーゴム院長/ジョン・ギールガット
婦長/デーム・ウェンディ・ヒラー
バイツ/フレディ・ジョーンズ
夜警/マイケル・エルフィック

1981年(昭和56)5月16日公開