『旧・渋谷PARCO』ネオンサインの一部「C」

私が初めて、『渋谷PARCO』を訪れたのは、高校生のときでした。
憧れの店舗の前まで行ってみたものの、驚くほど美しいハウスマヌカンさんに圧倒され、店内に入る勇気は出ませんでした。
結局、フロアの通路を駆け抜けただけで、『渋谷PARCO』を後にしました。

そして40年近い歳月がたち、『渋谷PARCO』のネオンサイン「C」を地下1階でみつけて、思わず足がとまりました。

『渋谷PARCO』 は2016年に改修のため閉店。2019年に再開業。
環境デザインを手掛けた、建築家・藤本壮介(ふじもとそうすけ)氏は、地下1階「CHAOS KITCHEN」の天井・床に鏡面素材を使用。
店舗のファサードが映り込む設計は、天地の境が反響しあう不思議な空間を生みだしています。

デザイナー・五十嵐威暢(いがらしたけのぶ)氏デザイン『旧・渋谷PARCO・パート1』外壁ネオンサインを分解して
「C」の文字は地下1階に
「R」の文字は7階に
「P」の文字は8階に設置。
現代アート作品として恒常的に展示されています。

『渋谷PARCO』の80年代を象徴するネオンと再会し、あの頃の私の夢は何だったのだろうかと、ちょっと切ない気持ちになった『渋谷PARCO』の夜でした。