①スマホのLINEや着信履歴をチェックする
②「うざい」など、傷付く呼び方をする
③いつもおごらせる
④無理やり性的な行為をする
⑤自分の予定を優先させないと無視したり、不機嫌になったりする
⑥思いどおりにならないと、怒鳴ったり責めたり脅したりする

恋人からこのような対応をされて、つらい思いをされていませんか?
これらは、全て暴力と定義されています。

①一方的に相手のプライバシーに入り込み、相手の人間関係を制限するのは暴力です。
②相手を傷付ける言葉は暴力です。
③交際相手の気持ちを考えず、いつもお金を払わせることも暴力になります。
④恋人同士でも、相手が嫌がっているのに無理やり性行為をすることは暴力です。
⑤相手の気持ちや都合を考えず、自分と一緒にいることを相手に強要するのは暴力です。
⑥相手を精神的に追いつめて自分に従わせようとするのは脅迫という暴力の一種です。

『改正ドメスティックバイオレンス(DV)防止法』が2014年に施行され、配偶者だけでなく、同居する恋人からの暴力も保護の対象になり、交際相手による「デートDV」の実態も注目されるようになりました。

しかし、高校生など同居していないカップルは保護の対象外となっています。
年齢が低いと判断力が未熟なため、逃げ出せずに我慢しているケースも報告されています。

10代の女の子で「デートDV」の被害に遭いやすいのは、自己肯定感が低く、寂しさを感じている人と指摘されています。
身体的な暴力だけではなく、精神的暴力で支配されているケースもあり、自分が被害に遭っていることに気付いていないケースも少なくありません。

「デートDV」の加害者は4つのタイプに分類されると越智啓太教授(法政大学文学部犯罪心理学)は啓発されています。

1.「女は殴らないと躾できない」などと考える《男性至上主義型》
2.ストレスやイライラを恋人にぶつける《補償型》
3.恋人に逃げられるのを過度に恐れる《支配・監視型》
4.相手との距離感がつかめない《依存性型》

暴力の後には優しく接するのが特徴で

◆ふつふつと怒りを増大させる《緊張形成期》
◆相手に怒りをぶつける《爆発期》
◆優しい言葉をかけたり、プレゼントを贈ったりする《ハネムーン期》

以上のサイクルを繰り返します。

被害者には「別れる」という選択肢があるはずですが、
『本当はいい人なんだ』
『私だけが理解している』
『悪いのは自分なんだ』
などと思い込んでしまうケースが多いと越智教授は指摘されます。

DVは被害者の心に大きな傷を残します。
過去・現在だけでなく、未来まで奪いかねない犯罪です。
「デートDVのような支配の関係はおかしい」と、正しく認識することが大切です。

被害に遭ったら、相談できる大人はいます。
どうか「自分を守るんだ」という強い気持ちを持って声をあげてください。

 

 

産経新聞:2016.01.28