「復縁」
「復活」
「再燃」
「修復」
「捲土重来」
「リセット」など
タロットには一度失ったもの、壊れてしまったものが、ふたたび蘇ることを意味する札が複数枚存在します。
タロットが創作された700年前から「復縁」を意味するものが これほどまでに頻繁に語られるのは、個人の問題だけでなく、派閥・国家の外交・宗教など、広義の意味で使用されていたことが伺えます。

私たちが「復縁」を願うとき
それは別れた恋人ともう一度やり直すことを意味します。

あなたは、今
さびしさ
辛さ
後悔
焦燥感など
様々な感情が押し寄せてきて
苦しくて
ときに憎しみの感情までもが芽生えてきて
それでも
一日も早く彼と「復縁」が叶うよう願われていると拝察いたします。

「私の悪いところは直すから」
「何でもいうことをききます」
「セフレでもいいのでまた会ってください」と、ここまで一途に誰かを想えることは素晴らしいことですが
しかし、それは『あなたの都合』なのです。

『彼の都合』を想像したとき
「悪いところを直すから」
「何でもきく」
「セフレ」
別れを阻止しようとするあなたの提案する条件が、あまりにも惨めな場合
彼は「オレの手にする女の程度ってそんなものなの?」と
別れの原因以上に自尊心を傷付けられたと感じることがあります。
あなたが 縋って泣いて懇願して彼が戻ってきてくれたとしても、彼が「自分の意志でそうした」と思えないかぎり、同じことの繰り返しになります。

それでは、彼に
「自分の意志でそうした」と行動に移してもらうためには、あなたはなにをすればいいでしょうか。
ここで私は、タロットの広義の意味での「復縁」を思うのです。

例えば
イングランドは 1533年に英国国教会を創設し、ローマ・カトリック教会と永く対立関係にありましたが、1982年に当時の法皇 ヨハネ・パウロ2世が英国を非公式訪問し、和解を果たしました。
両国が「復縁」するまでに、449年間もの永い歳月が費やされましたが
本当の意味での和解・復縁とは
『お互いを理解し、許しあうこと』だと世界に報せました。

「復縁」までのプロセスは、まず、お互いが【対等】であることが前提です。
そして
【理解】
【許し】
【和解】
【信頼】
【復縁】
と続きます。

あなたが別れた恋人と【対等】になれる日はいつでしょうか。
それは、あなたが彼と同じくらい大切なものができた日です。
なにかひとつでもいいので
夢中になれるものを見つけていただきたいのです。
映画でも、音楽でも、漫画でも、英会話でも、旅行でも何でもいいのです。
「私は、これが大好き」と言えるものができれば、もうそれであなたは彼と対等なのです。
どうしてそれが対等なのかと思われるかもしれませんが、
「彼に100%注いでいた熱量の半分を、大好きなものに注げるようになった」というイメージです。
「私はあなたが大好き。それと同じくらい自分の時間も大好き」
と言えるようになったときが「復縁」のタイミングなのです。

続いて【理解】
あなたは先ほど「悪いところは直すから」と仰っていましたが、
あなたの「悪いところ」とは、何でしょうか?
あなたの学歴・経歴など変えることができないものなのか
お酒・お煙草など、あなたの嗜好についてなのか
お金を貸してくれない・迎えに来てくれないなど、彼の都合なのか
性的なデリケートな問題なのか
理由もわからず
「悪いところは直すから」とお伝えしても
「この子は何もわからずに、とりあえず口先だけなのだな」という印象を与えてしまいます。
彼が何を望んで、何を望んでいないのか
彼の大切にしているものを理解する想像力を持っていただきたいのです。

その後にある【許し】
あなたが、彼の大切にしているものを想像できたなら
彼の別れの行動や発言に何らかの理由があったことがみえてきます。
学歴や教養・職歴・家族のこと・性的なことなどで彼のプライドをあまりに傷つけてしまったときには
彼があなたに伝えた別れの理由は、ほんとうの理由でないことがほとんどです。
理由を伝えることなくLINEをブロックしたくなるほどのことかもしれません。
あなたにとって「突然」でも、彼にとっては長く我慢していたことかもしれません。
「自分だけが辛い」のではなく自分を内省することで、一方的に別れを告げた彼の行動や発言を許す心が芽生えてきます。

そして【和解】
あなたが真摯に反省するところがあるなら、然るべき時期(対等になれたと思うとき)に
一度だけそれを彼に伝えていただきたいのです。
LINEの文面は短く簡潔に、返信を求めない内容で
既読・未読にこだわらない。
「あなたが真心から伝えたかどうか」を大切にしてください。

LINEをふくめ、全てのSNSがブロックされて削除されている場合でも大丈夫です。
今日はその時期ではなかっただけです。

人は死亡率以外で100% というものは存在しません。
「彼からLINEが送られてくる確率は50%」
「彼からLINEが送られてこない確率は50%」
反証できない理由はどちらにもあるのです。

あなたが「彼を尊重しましょう」と
彼にひとりの静かな時間をプレゼントできるなら
彼はあなたを、あたたかく優しい気持ちで懐かしく思い出すときもあるでしょう。
ひょっとしたら、あなたと別れたことを後悔する日があるかもしれません。
そのとき彼からLINEが送られてくる確率は50%を上回るのです。

もし、彼からLINEが届いたとき
あなたは、あたかも奇跡をみるような感覚になるでしょう。
あなたなの【理解】と【許し】がほんものなら、彼を責めたり、どれだけ辛かったかなど
ネガテイブな言葉を伝えたりするのではなく
肯定的な返信の言葉が浮かんでくるはずです。

先の
ローマ・カトリック教会と英国国教会の和解が実現したのは
対立している相手に憎しみではなく
「祝福がありますように」と
祈りを捧げる心を持ち続けることができたからだと私は信じています。

憎しみの心と閉鎖された心では、あなたの心も曇ったままです。
あなたが
「ふたりにとって最善の結果がやってきますように」という心持ちで過ごしていれば、
「別れることもふたりにとって最善だったのかも知れない」と改めて【許し】の感情も湧いてきます。
あなたの普段使っている心持ちが整ってさえいれば
いつ、どのタイミングで
彼とLINEで繋がっても
再会ができても
最善のあなたをみせることができます。

以前とは明らかに違うあなた。
心優しく
聡明なあなた。
あなたが魅力的な女性へと成長を遂げたなら
「彼の意志で」あなたと新しい関係を築くことを希望されるでしょう。

壊れてしまった瓦礫は撤去して
更地に戻して
新たに、ひとつひとつ丁寧にレンガを積んでゆくイメージです。
丈夫で安定した基礎を築きあげてゆく過程で
お互いを【信頼】できる瞬間が芽生えてきます。
【信頼】を重ねる日々のなかで
ふたりにとって最善の結果としての【復縁】が訪れることを信じています。

 

(写真:2014年4月5日・産経新聞 ベルリン支局)

2014年4月3日・バチカンを訪問した英国エリザベス女王とローマ法王フランシスコ