◆『金や 様々な色彩で描かれた56枚の遊戯札』
◆ 3パック注文
◆ 註釈※ 王(シャルル6世)の慰みのため。

カード・メイカーと
画家 グランゴヌールに、
この『遊戯札3パック』の代金が支払われていることが
1396年・フランス王国の【会計帳簿】に
記録として残っています。

フランスとイギリスの百年戦争の勃発に加え、
フランス国内では様々な公国が内乱を繰り返す
不安定な治世の中
1380年・シャルル5世が他界し
シャルル6世が、わずか18歳で王位継承しました。

シャルル6世は
共に、叔父である
ブルゴーニュ公爵・フィリップ氏と
ベリー公爵・ジャン氏の、
権力闘争に翻弄され
まだ若く「世間知らずの王」と嘲笑を受け、
次第に
精神を病んでゆく様子も伝えられています。

しかし、そんな王の心を慰めるために
『金や 様々な色彩で描かれた56枚の遊戯札』
が、側近によって3パック発注されました。

実物はもはや存在していませんが、
この遊戯札が記録上の最古のタロットになります。

精神を病んだ若き王に想いを馳せる時、
時代も身分も違っても
18歳の男の子の悲鳴と嗚咽が聞こえて来るようです。
若き王が
タロットから「祈り」と「慰み」を得て
心に安寧が訪れたであろうことを願うばかりです。

600年の時を超えて
タロットを通じて
私も「祈り」と「慰み」を求めていたことに
畏怖を隠せません。

どうか、タロットが
人々の「祈り」と「慰み」
「喜び」と「希望」になることを
心から願ってやみません。

 

(参考文献:井上教子「タロットの歴史 」山川出版社)