『厨二病』(ちゅうにびょう)とは、中学二年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動を総じて意味する造語です。
《身の丈に合わない壮大すぎる設定や仰々しすぎる世界観を持った作品》
《非現実的な特別な世界観や設定そのもの》などを指します。
1990年代末の深夜ラジオ番組で、自分のことを『厨二病』と自虐的に披露することが始まりでした。
その後、動画等に投稿された作品に対し、コメント欄で揶揄・否定するネットスラングに代わって使用されるようになりました。
『厨二病』のタイプとして以下の定義があるそうです。
【DQN系】根は真面目だったり臆病な青少年が、憧れで不良ぶったり反社会的行為をするタイプ。
【サブカル系】他人とは違う趣味・趣向を持とうとするタイプ。
【邪気眼系】超能力・魔法・秘密結社に憧れ、アニメ・漫画・ライトノベルに影響されやすい。
なるほど。
私が中学校二年生・14歳から今日まで『厨二病』だったことがよくわかりました。
ひとつ加えるなら
「自分の好きなものが、『サブカルチャー』とカテゴライズされることすら考えたこともなかった」
でしょうか。
『細野晴臣』が好きすぎる。
『楳図かずお』の漫画は神。
『妖怪』の存在は反証できない可能性。
『戦争映画』ばっかり観てる。
『レクター博士』の秘書になりたい。
そんな子供でしたが
その価値観に、今はものすごく助けられていますし、「執着」するくらいでなければ何も創造できないことをも体感してきました。
例えば
《 妖怪を否定しようとして、妖怪の研究をしているうちに『妖怪学』を極め、大学まで創立してしまった人 》はサブカルチャーを哲学の領域にまで到達させました。
何かを極めるためには『厨二病』をこじらせるくらいでないと叶わないと私は思うのです。
音楽・絵画・映画・小説・漫画・舞踏・オペラから
理系のことは全くわかりませんが
生物学・化学・工学・薬学・建築学も、びっくりするくらいの執着心と想像力が
《身の丈に合わない壮大すぎる設定や仰々しすぎる世界観》
《非現実的な特別な世界観や設定そのもの》を実現させ、具現化してきたのではないでしょうか。
「魔術とは究極のテクノロジーである」という考えかたを私は信じています。
『厨二病』を揶揄・否定する風潮は
ものごとや人に対して
斜(はす)に構えることで
「私は本気にならない」
「執着しない身軽さ」
というスタンスをアピールすること。
それは
本気になって
失敗して
嗤われて
傷付かないための
私たち誰もが持っている
「防御本能」なのかもしれません。
しかし
何かに夢中になって
一所懸命になって
こじらせたり
泣いたり
失敗してもいいし
嗤われるのは、やっぱり傷付くけど
好きすぎることだけに向き合ってれば
他人の評価なんて
どうでもよくなってきませんか?
『厨二病』
私は大賛成。
あなたの執着心は必要ですし
あなたの想像力を
どうか萎ませないでください。
画像:『東方プロジェクト』・ZUN
出典:『ニコニコ大百科』(仮)
参考文献:『日本人はなぜ妖怪を畏れるのか』井上円了の妖怪学講義・著者:三浦節夫 ・発行所:株式会社新人物往来社 2011.11.15 第一刷発行