「大阪・関西万博パソナ館」で、池上高志先生監修『生命進化の樹』制作メンバーとして参加させていただいていますが、2年前にお話しをいただいたときに、「アミューズメントパークの、アトラクションのようなものは作らないでほしい」と依頼がありました。

生命について、宿題をいただいたようでした。その探求は、理解できないかもしれないがやめられない。知れば知るほど、わからなくなる。

制作過程は、過去から未来へと、36億年ぶんのタワーを10層にわけて構築してゆくのですが、『古生代〜中生代』のわずか80㎝の層に本物のアンモナイトを埋め込むのです。鉱石マニアや生物マニアの方たちは、偽物はすぐにわかりますから。なので、アンモナイトが散らばってみえるようでも、わずかに色別しているのです。『人類の層』では、原水爆核実験2063回の黒い糸が織り込まれています。

こうした層を重ねることで、「地球がどういうふうにできたか?」みえてきます。無生物から生物が生まれてくる過程で、水中で過ごす時間が圧倒的に長かったこと。36億年かけて、人間は、今の状態にあること。人間は、次の世代にかけて、どういうかたちに進化するのか?そして、宇宙からみた人間は、「情報を伝達したきたハイパーインテリジェンス」という存在。ネットワーク自体に生命体がいるのでは?という想いにもなります。

最終的に、「脳」をシンボル的に描いたのですが、”感動”ってすごくて!「感じて動く」って論理的なことではなくて、花をみて「ただ、美しい」と感じること。花の美しさというものはないのです。

『EXPO’70』太陽の塔を制作された岡本太郎さんの「芸術は爆発だ」という言葉は、バーンて火花が散るイメージですが、なんと!心が動いて爆発するときは、音がしないのです。絵を描くことは、森のなかを走り抜けるよう。森を駆けるとき、声がする。
:植田 工

植田くんは、何の迷いもなく描ける人。
:桑原 茂一

ただいま、京都「小川珈琲 堺町錦店」で開催中の『freedom dictionary 展 -ART + 選曲-』にて、植田工さんと桑原茂一さんのトークセッションが昨日行われました。
「人間とは?生命とは?」〜万博・アートからみえてきたこと。植田工さんの作品からあふれる創作エネルギーを、ぜひ会場で感じてみてください。

◆freedom dictionary展 -ART+ 選曲-
2025年6月1日(日)- 6月15日(日)

◆小川珈琲 堺町錦店
京都府京都市中京区堺町通錦小路上る菊屋町 519-1
(烏丸駅から徒歩6分)
営業時間 7:00-20:00 (L.O. 19:30)