音楽家・砂原良徳さんの愛称「まりん」は、楳図かずお先生の『わたしは真悟』に登場する主人公の名前が由来です。

「真悟」とは、主人公の真鈴(まりん)と悟(さとる)の漢字一文字づつを授かったロボットの名前です。
『わたしは慎吾』は、形式的にはロボットが自意識を持つ物語。
まだパーソナルコンピュータが普及していない時代に、AIが普及した未来を予見した作品として、2018年にはアングレーム国際漫画祭【遺産賞】を受賞しました。

砂原さんの愛称に、これほどふさわしい名前はないと感じるのです。

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こんなふうに、いろんな想いを交錯させながら…念願の、楳図かずお先生のゲストハウス(通称:まことちゃんハウス)をお訪ねしてみました。

吉祥寺駅からすぐそばの静閑な住宅街の中にあり、前衛的な美術館のような佇まいでした。
玄関の門扉には、まことちゃんのトレードマーク「グワシ!」の精巧なデザインが施されています。

バルコニーからは、まことちゃんが手を振ってくれています手を振りかえしながら、子供の頃の自分に「ハロー」なのか「バイバイ」なのか、ちょっとセンチメンタルになる時間でした。

『わたしは慎吾』
ビッグコミック・スピリッツ1982.04.30日号-1986.09.01日号連載・著者:楳図かずお・発行所:株式会社小学館
第一巻2000.03.10初版第1刷発行-第七巻2000.06.10初版第1刷発行
2018年アングレーム国際漫画祭【遺産賞】受賞