虹のたちあらわれる様子を
歌句の言葉として
『顕つ』(た・つ)と表現します。

この読みかたは国語辞典にはありませんが、短歌・俳句では、この言葉を使った名作が残されています。

虹や色のほか
思い出や
亡き人の面影
感情などが
顕ちあらわれる際の表現として用いられています。

それは
思いがけず
ふと蘇る記憶。

記憶とは
脳内や体内に残されていて、意識的に、もしくは無意識に再生できるさまざまな情報や感覚。自分が生きてきたすべての時間のうち、未だ消去されてない時間の断片やその蓄積。記憶を思い出すことを想起、想起できなくなることを忘却と定義されています。

しかし
『顕つ』という表現は、どこか忘却の彼方にありながら、何かをきっかけに思い出す風情があります。
記憶とは「想起」と「忘却」だけでなく、そのグレーゾーンに位置する「封印した記憶」のエリアがあるのではないでしょうか。

私の役割は、その、封印した記憶をタロットという道具を使って再生することです。
あなたにタロットの
絵柄をご覧いただいて
メッセージを聞いていただく。
それをきっかけに
忘れかけた思い出や
忘れかけた言葉を
思い出してもらうことが目的です。

タロットに触れて
あなたの心の奥に封印していた記憶が
『顕つ』とき
それに伴う感情を思い出すことができます。

あなたが
かつて
何かに
誰かに
どれほどの想いを抱き、情熱を注いでいたか?
それはときに自分を労(いたわ)りたくなるほどの痛ましい感情かもしれません。

それでも、あなたは
タロットに向き合うことにより
「今」の生き方が
「過去」を意味あるものにし
「未来」を決定づけると知るでしょう。

赦しの言葉
懺悔の言葉
愛の言葉
言えなかった言葉を
今は会えなくなった誰かに
心のうちで伝えてみてください。

過去の自分にも
労(ねぎら)いの言葉をかけてあげてください。

タロットが
あなたの封印した記憶を
顕ちあらわせ
過去を意味あるものにする。
明東館が、そのきっかけになれば幸いです。

あなたの心に
やわらかで静かなひとときが
訪れますように。