「あの人のことをどうしても許せない」

私達は、誰かから理不尽な仕打ちをうけたとき、相手のことを「許せない」と怒りの感情を芽生えさせることがあります。

夜も眠れないくらい苦しくて
誰にも会いたくなくなり
スマホも触りたくない
食事も喉を通らない。
そんな、あなたのお辛い様子が伺えます。

ときに、人は
「自分がされたことと同じ目にあわせなければ気が済まない」
「復讐したい」
そのような気持ちになることがあります。
それは決して否定される感情ではありません。

復讐を説いた
説経節『安寿姫と厨子王丸伝説』をご存知でしょうか。

人買いに騙されて、山椒太夫に囚われの身となった安寿姫と厨子王丸姉弟。
安寿姫は弟の厨子王丸を逃しますが、代償として凄惨な拷問の末、嬲り殺されます。
その姉の復讐として厨子王丸は裁判で山椒太夫とその三男に死刑を宣告し、鋸引きの刑に処しました。
ここで使われた鋸(のこぎり)は、苦しみを長引かせるため、鉄製ではなく「竹製」でした。

私は復讐の描写を拝読する度に、人は自分と同じ苦しみを相手に与えなければ、怒りがおさまらないのではないかと痛感します。
安寿姫ひとりに対して、ふたりの死刑を執行した厨子王丸の判決が正しいかどうか私にはわかりません。
しかし、「厨子王丸が正義」と思えるほどの怒りがじゅうぶんに伝わってきます。

復讐したいほど怒りの感情が芽生えたとき
その感情を無視しないでください。

今まで見なかったことにしてきたことや
解決できなかったこと
長く我慢してきたこと
それらが限界にきて
あなたの心が折れてしまう前に
心が「SOS」を発信しているのかもしれません。

タロットでは
「怒りの感情をどう処理したいか?」と
あなたに具体的にいくつかの例をだして問いかけてくれます。
《水に流す》=『許す』
《火に燃や》=『克服する』
《風で昇華させる》=『学びとする』
《土に埋葬する》=『放棄する』

例えば
復讐なら《火に燃やす》=『克服する』に該当します。
その憎しみの感情を『向上心』『見返す』というエネルギーの糧にすることを意味します。
また、善意の第三者の力を借りて『審判』することで、損害賠償請求などの法的手段で、相手の社会的信用を失墜させて成敗することも意味します。

そのほか
《水に流す》=『許す』
《風で昇華させる》=『学びとする』
《土に埋葬する》=『放棄する』
など、あなたはタロットの提示するどの方法でも怒りを処理することができるのです。

あなたが誰かに対して怒りの感情を持ち続けるということは
実は
『相手に支配され続けている』ということ。

 

あなたは、あなたの人生を
誰かに支配されたまま生きたいですか?

 

あなたの人生を
怒りの感情で満たすのはもったない。
あなたの心が折れてしまう前に
一刻もはやく、怒りの感情を処理しましょう。

タロットは、あなたの怒りの感情の処理の方法を提案してくれます。
あなたの心に
怒りではなく
安寧が訪れるようにお祈りしています。

 

写真:哲学堂公園 「哲学の庭」ワグナー・ナンドール